パ・リーグの投手でもう1人挙げたいのが2年目の廣畑敦也(ロッテ)だ。一昨年の社会人ナンバーワン投手の呼び声高かった右腕で、即戦力としての期待も高かったが、ルーキーイヤーの昨年は30試合に登板して0勝1敗0セーブ2ホールド、防御率4.91という結果に終わっている。所属していたチームの練習時間が少なかったこともあってか、体力的な面にも苦しんだように見えたが、2年目の今年はキャンプから順調にアピールを続けている。

 3月4日のヤクルト戦でも2番手で登板すると、3回を打者9人パーフェクト、2奪三振と結果を残して見せた。コーナーに投げ分けるコントロール、打者の手元で鋭く変化するカットボール、緩急をつけるカーブなど変化球のレベルも高い。現在の状態を維持することができれば、開幕ローテーションに入ってくる可能性も高いだろう。

 野手でここまで強烈なアピールを見せているのが高校卒5年目の濱田太貴(ヤクルト)だ。昨年はキャリアハイとなる73試合の出場、6本塁打という成績を残した。今年のキャンプでは二軍スタートだったものの、状態をしっかり上げて2月下旬には一軍合流。3月5日までのオープン戦4試合で15打数6安打、ホームラン1本を含む長打4本と持ち味である長打力を十分にアピールしている。今年から本格的に外野と併用になる内山壮真も2月26日の楽天とのオープン戦で2本塁打を含む4安打、7打点と見事な活躍を見せているが、本職の外野手としては負けたくないところだろう。

 ルーキーの野手では二刀流の矢澤宏太(日本ハム)、外野のレギュラーとして期待がかかる蛭間拓哉(西武)といったドラフト1位組の注目度が高いが、ここへ来て評価を上げているのがともに下位指名での入団となった内野手の門脇誠(巨人)と田中幹也(中日)の2人だ。

 門脇は高校1年春から大学4年秋まで公式戦全試合にフルイニング出場した経歴を持ち、この春のキャンプも一軍で完走。上背はないものの好守に力強さがあり、初のオープン戦となった2月23日のヤクルト戦でもいきなりマルチヒットを記録する活躍を見せた。守備範囲の広さと強肩も大きな武器で、ショートとしての評価も日に日に高まっている。坂本勇人の後釜が大きな問題となっているチームの中で、その一番手に浮上してくる可能性は十分にありそうだ。

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