バイオロギングとは、海洋生物に加速度ロガーなどの小型センサーを装着し、生態や行動を調査する研究手法のこと。Catlogを開発したRABO代表の伊豫愉芸子(いよゆきこ)さん(39)は、東京海洋大学出身。大学院在学中は、東京大学大気海洋研究所の佐藤克文教授に師事し、ペンギンやオオミズナギドリのバイオロギングを研究した。大学院修了後、入社したリクルートでプロダクトの設計や新規事業開発を担当した。
伊豫さんは愛ゆえに猫のことを“猫様”と呼ぶ。
「子どもの頃から動物が大好きで、研究者として生きていくか、研究に携わる仕事をしたいと思っていました。3年前、ブリ丸と暮らすようになって、Catlogの構想が生まれたんです。留守中の猫様が何をしているか、ペットカメラをつけても、死角に入ってしまえばわからない。猫様にバイオロギングの技術を使えば、解決できると考えました」
社会人としてのこれまでの経験も生かせると考え、起業を決断。2018年、2月22日の猫の日、RABOを立ち上げた。同年、クラウドファンディングサイトで開発資金を募ると、19年2月までに目標額30万円を大きく上回る457万円を獲得。9月、Catlogの一般販売を開始した。こちらも予定販売数をクリアし、極めて好調な売れ行きだという。
HomeとPendantの基本セットが1万4800円(税別)で、多頭飼い向けにPendantのみが1本9800円。プランは3種類で、月額無料の「プチみまもりプラン」と、380円の「みまもりプラン」、580円の「猫バカプラン」がある。プチみまもりプランは先述の五つの基本動作の報告のみだが、みまもりプランでは、一緒に愛猫を見守る共同飼い主の設定が可能だ。さらに今後のアップデートで、検知できる行動も追加される予定だ。猫バカプランでは、共同飼い主の設定に加え行動ログの閲覧制限がなくなる。いまのところ、「多くのユーザーさんが、『猫バカプラン』を選択しています」(伊豫さん)。