人に関しては、韓流人気を背景に男性アイドルグループの「BIGBANG」や俳優の「ヨン様」(ペ・ヨンジュン)のほか、ゴルファーのイ・ボミ、元サッカー選手のパク・チソンといった名も挙がった。

 人・ものを通じて最も多かったのが「キムチ」で32人。続く「文在寅(ムンジェイン)大統領」は10人が挙げた。「文政権による南北朝鮮の融和」といった好意的な視線と、懐疑的な見方に分かれた。

「韓国に行ったことがある」と答えた人は37人だったのに対し、「身近に韓国人はいますか」との問いに、「いる」「いた」と答えたのは6割近い68人に上った。

 注目したいのは、「韓国の印象がこの半年以内で変わりましたか」との質問に、「いいえ」と回答したのが76人で、「はい」と答えた24人の3倍超に上った点だ。メディアで盛んに日韓政府の対立が伝えられ、中には両国の分断をあおるような言説も目立つ中、市民感情に大きな影響は見られなかった。

「いいえ」の理由を見ると、「韓国内で内政が緊迫すると、国民の支持を得るために反日行動、言動に出るのはテンプレート化している」「両国の対立は国の一部の人間によって起きたもので、メディアが扇動したにすぎない」といった意見があった。今井氏はこんな感慨を漏らす。

「市民は冷静だと感じました。ただ、理性的な判断を保ちメディアに左右されない人もいれば、日韓問題そのものに関心がない人も含まれると思います」

 半年以内で印象が変わった理由は、「文大統領の日本への態度」など文政権への不信感を示す意見が並んだ。

「関係を改善するにはどんなことが必要か」との質問には、「中立な報道」「お互いをなじるニュースを見ない」「音楽祭や映画祭などの文化活動、若者の対話」「日本人の差別意識をなくす」などの回答が寄せられた。

 一方、韓国側の調査は、「亜洲経済」の記者10人が10月29日から11月5日にかけてソウルで対面で実施した。

「日本は好きですか、嫌いですか」との質問に、「好き」と答えたのは15人、「嫌い」は34人、「どちらでもない」は51人だった。

「好き」な理由としては、「アニメーションが好き」「公衆道徳をよく守っている」「経済大国」といった声があがった。

「嫌い」な理由として、10代の女性と40代の男性会社員が共に「壬辰倭乱(イムジンウェラ=ン文禄・慶長の役)」を挙げたのは、学校教育の影響だと思われる。

「嫌い」と答えた人の多くは、日本から連想する言葉として「安倍晋三首相」を挙げた。「歴史を反省していない」などの理由が多かった。

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