なかには「薬を飲んでいるけれど、なかなか数値が下がらない」「副作用が出たので、飲むのをやめてしまった」という人もいるかもしれません。前編で解説しましたが、尿酸値が高くなりやすい遺伝的体質には四つのタイプがあります。

<尿酸値が上がりやすい四つの体質>
1.尿酸の産生が過剰
2.腎臓からの排せつが低下している
3.産生過剰型と排せつ低下型が混合している
4.腸管からの排せつが低下している

 そのため、尿酸値を下げる治療薬には選択肢があり、主に使われている薬は6種類あります。これらは大きく分けると(1)尿酸の「産生を抑制」するもの、(2)尿酸の「排せつを促進」するものの二つがあり、体質に合ったものを選ぶと効果が出やすいです。また、副作用の少ない新しい薬も出ています。

尿酸値を下げる治療薬には選択肢があります
尿酸値を下げる治療薬には選択肢があります

 一般的には、「フェブキソスタット」という薬が第一選択肢になります。3カ月ほど服用しても芳しい効果が得られないなら、まずは飲み忘れが多くないかをチェック。しっかり服用しても尿酸値が下がらない場合は、薬の量が十分ではない可能性が大きいです。それでも下がらなければ体質に合っていない可能性があるので、主治医に相談するといいでしょう。

 薬を飲み続けたくないと考える人もいるかもしれません。しかし服薬をやめると尿酸値が基準値を超えてしまう場合は、「それだけ厳しい生活の節制が必要」と山中医師は言います。先に記したとおり、遺伝的体質でどうしても尿酸値が上がりやすい人もいるので、生活習慣改善でコントロールするのが困難なら、薬を飲み続けることがすすめられます。

 日本痛風・尿酸核酸学会は「認定痛風医」の資格を設けています。全国でも60人弱しかいませんが、認定医のリストは同会のホームページで閲覧することができます。また、痛風を専門的に診ている病院の中には、自分の体質のタイプを調べる「尿酸クリアランス検査」を実施しているところもあります。

【8】痛風の症状が出たら、すぐに尿酸値を下げる薬を飲む? 

 答えは×です。急に尿酸値を下げると、かえってよくないと大山医師は言います。

「痛風の発作で来院する患者さんの中には、知人や家族からもらって、尿酸値を下げる薬を飲んできたという人もいます。しかし、発作中に薬を飲むと急に尿酸値が下がって、かえって発作を悪化させてしまいます。まずは鎮痛剤などで痛みを抑え、発作が治まって2~3週間してから尿酸値を下げる薬を飲むのが正しい治療の流れです」

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