尿酸値が基準値(7.0mg/dL)を超える「高尿酸血症」を放置すると、痛風のリスクが高まります。痛風はよく「風が吹くだけで痛い」といわれ、「骨折より痛くて、しばらく仕事に行けなかった」という人も。近年は食生活の欧米化などにより、「若い人」「お酒を飲まない人」の発症例が増加して問題になっています。そこで、ちまたでよく聞く11のうわさを取り上げ、前編では、そのうち飲酒や食事、運動などの生活習慣や発症しやすい体質について、痛風を専門とする医師に聞きました。後編では残りの六つ、「患者さんがよく誤解していること」、そして「正しい最新の情報」をお届けします。
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本企画の前編では、よく耳にするうわさや話のなかから、以下の五つを取り上げました。
1.プリン体ゼロのお酒ならいくら飲んでも大丈夫?
2.プリン体が多い食品を避けていれば大丈夫?
3.お酒を飲まなくても高尿酸血症・痛風になる?
4.尿酸値が上がりやすい、痛風になりやすい体質がある
5.運動やサウナは痛風にもいい?
後編では、次の六つについて検証していきます。
6.痛風発作が起きなければ問題ない?
7.尿酸値は基準値(7.0mg/dL)に下げればいい?
8.痛風の症状が出たら、すぐに尿酸値を下げる薬を飲む?
9.50歳以降は痛風発作が出にくくなる?
10.女性は高尿酸血症・痛風にならない?
11.食べ物、飲み物、漢方薬で治せる?
では、さっそく始めていきましょう。
【6】痛風発作が起きなければ問題ない?
答えは×です。高尿酸血症(尿酸値が基準値の7.0mg/dLを超える)であれば、血液中に尿酸の結晶ができています。今はたまたま発作が出ていないだけで、いつ痛風の症状が出てもおかしくない状態かもしれません。両国東口クリニック理事長の大山博司医師は次のように説明します。
「尿酸値にもよりますが、高尿酸血症が5年以上続くと痛風になる可能性が高くなると考えられています」