お店へと続く階段にはメッセージに加え、たぬきのイラストがあちこちに描かれています。階段を上がった通路には段ボール箱に入った本が所狭しと並べられています。値札がついているところを見ると、本も販売しているようです。
通路の壁にはなぜか旅行関連のポスターが目立ちます。階段下の立て看板には「カフェ」と書かれていましたが、私たちの想像するそれとはかなり雰囲気が異なりました。
「一体何屋さんなの?」
ますます謎は深まるばかりです。
残念ながら我々がお店を訪れたときは休業日だったので、彼女は別の日にお母さんと一緒に調査に出かけることにしました。
調査で判明した事実は以下の通りです。
・店主の方の名字が「たぬき」さん(!)ということで、たぬきのイラストを採用している
・京都で一番小さな本屋である
・入り口の雰囲気が怪しいので、怪しまれないようにメッセージを貼ることにした
「本と旅カフェ 風の駅」は、旅のフリーペーパーやリトルプレスを扱う図書館とカフェが併設された小さなお店だったのです。
商店街探検プロジェクトを通じて、普段何げなく歩いている場所にも発見の種がたくさん転がっていることを子どもたちは実感してくれたと思います。
私自身も知らなかったことがたくさんあり、ますます出町商店街に愛着を持つきっかけとなりました。
※AERAオンライン限定記事
○山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。