ベビーシッター利用率が5%未満の日本。利用へのハードルがもっと下がったらいいのにな、との思いからアメリカのベビーシッター利用事情を前回ご紹介しました。アメリカは58%の家庭が月に1回以上ベビーシッターを利用している育児アウトソーシング大国。利用の主な目的は、夫婦でのデートや息抜きです。
日本でも気軽に育児を外注できたらいいのですが、なかなか厳しそうな実情があります。そこには、ベビーシッター利用に対する誤解があるんじゃないかと思うのです。その誤解を、アメリカの事例を見ながらひとつずつ解いていきませんかというのが今回の記事。さっそく見ていきましょう。
1、子どもに申し訳ない
本稿の編集担当者は数少ない日本のベビーシッター利用者のひとりなのですが、「少数派なので、預けはじめた当初は子どもに申し訳ないと思っていた」そうです。
でも、彼女はこうも言いました。「いまでは言い切れます。プロに頼むことは、私一人がずっと向き合っているより、子どもにとって絶対にいいと!」。私もその意見に大賛成です。親なら家事の片手間で子どもを見るところ、ベビーシッターは全力で子どもに向き合ってくれます。子どもが駄々をこねても、冷静に対応してくれます。アメリカでシッターをしている友人は、「自分の子にはイライラして声を荒げてしまうことがあるが、仕事で預かっている子には感情を抑えることができる」と語っていました。
大人の感情に振り回されることなく、しっかり向き合ってもらえる。また家庭外の人との交流は社会性や好奇心の向上にもつながると思うと、シッター利用は子どもに申し訳ないどころか、いいこと尽くめです。
2、安全性が心配
大事な我が子にケガでもさせられたら、との懸念もわかるのですが、これもベビーシッターに預けたほうがむしろ安心な面もあります。親だったら片手間で子どもを見なければいけないところ、シッターはつきっきりで子どもを見てくれるからです。
最近は、詳細なプロフィールや顧客レビューを見たうえでベビーシッターを探せるマッチングサービスが多々あります。こちらは厚生労働省のガイドラインをクリアしたサービスの一覧ですが、選択肢が14社もあります。
アメリカでもネットやアプリでベビーシッターを探すのが一般的で、特に都市部ではその傾向が強いです。もちろんレビューだけでは判断できないことが多いので、事前に面接をし、人柄を見てから雇用します。