彼らとはいまも連絡を取り合っています。成長しても、大人になっても悩みはあるし、子どものときに背負った傷で、いまだに苦しんでいる人もいる。一方で、出会った頃はまだ子どもだったのに、いまではソーラーパネルを販売している子もいれば、大学に行っている子も、日本の大学で学んでいる子もいて、やっぱり「教育」は希望だなって思うんです。

 児童労働や貧困など多くの問題があるなかで、とくに子どもたちの「教育」に力を注ごうと決めたのはなぜなのか。

 私自身は教育の恩恵を当たり前に享受してきたので気づかなかったのですが、文字が読めるだけで、人生は変わっていく。たとえば、お母さんが「薬」と書いてあると思って買ったら、それが毒薬で子どもが亡くなってしまったり、「ここに入ったら危険です」と書いてある地域に子どもが入ってしまったり。私たちは一酸化炭素や二酸化炭素が充満したら死んでしまう、ということを知っていますけれど、そうした知識は、すべて学校に通うなかで得ているんです。

 彼らは伝統的な暮らしをするうえでの教育は受けているけれど、近代化された社会で生きるうえでの知恵は、まだ十分に得られていないところがある。もし彼らが必要としていることがあればサポートしたいな、と思ったんです。何が本当の答えなのかはわからないのですが、「私たちも学んでいこう」というところからスタートしました。

 セカンダリースクールという、日本で言う高校への進学のサポートはずっと行っています。やり方は年によって異なりますが、お母さんたちのつくるかばんを売って、その収益を進学のための費用に回したり、私のライブでチャリティーオークションを実施したり。つくったかばんを売るということは、自分で働いてお金を手にするということですから、お母さんと子ども、両方をサポートすることにつながります。

 アフリカを訪れ、自分の目で見たこと、感じたこと。それを一冊の絵本にまとめた。『ハートのレオナ』という。MISIAが物語を、mudefの理事も務める大宮エリーさんが作画を手掛けた。収益の一部は、アフリカの子どもたちと日本の子どもたちのために寄付する。

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