侍ジャパンが歴史の扉を開いた。WBC決勝戦で米国を3-2で撃破し、2009年の第2回大会以来14年ぶりの世界一に。投打で大活躍した大谷翔平(エンゼルス)がMVPに輝いた。
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スポーツ紙デスクは、今回の世界一の意義についてこう語る。
「WBCは第1、2回大会と侍ジャパンが連覇を飾りましたが、米国をはじめとした強豪国はシーズン前の調整期間の意味合いが強く、本気度が伝わってこなかった。今回は米国が大会連覇を本気で狙っていたし、その熱を強く感じました。野球の本場・米国で迎えたWBC決勝戦で侍ジャパンが米国を破った衝撃は大きい。大谷翔平やダルビッシュ有(パドレス)以外にも優れた選手が日本にいることを証明できたと思います」
決勝戦は、大会№1と呼ばれる投手陣が米国の強力打線を封じた。先発の今永昇太(DeNA)が2回にトレー・ターナー(ドジャース)に先制ソロを浴びたが、その後は救援陣が踏ん張る。戸郷翔征(巨人)、高橋宏斗(中日)、伊藤大海(日本ハム)、大勢(巨人)の継投策で3回から7回まで無失点。ダルビッシュが8回にカイル・シュワーバー(フィリーズ)にソロを被弾したが、失点は2本のソロのみ。9回は大谷が締めくくった。
スタンド裏にはメジャーのスカウトや編成担当者が熱視線を送っていた。メジャーの選手の代理人を務める関係者は、「侍ジャパンで登板する投手たちは、NPBのシーズンでの登板もきっちりチェックしています。戸郷、高橋宏、伊藤、大勢とメジャーでも十分に通用する。彼らに共通するのは直球が力強く、変化球の精度が高いこと。佐々木朗希(ロッテ)、山本由伸(オリックス)だけでなく、侍ジャパンの投手陣は今回の国際大会で一気に株を上げたと思います」と証言する。
メジャーの評価が高いのは投手陣だけではないという。
「村上宗隆(ヤクルト)はメジャーでも長距離砲として活躍する資質を持っている。広角に長打を打てるのが大きなアドバンテージだと思う。米国戦のホームランも凄かった。あとは岡本和真(巨人)が話題になっている。村上の陰に隠れた形だったが、NPBでも5年連続30本塁打をマークしている。五輪、WBCに出場経験がなかったので過小評価されているかなと。体が大きくてスイングが力強い。内野の守備もうまい。この2人の強打者は要注目です」