20年に31歳10カ月と史上2番目の若さで通算2000安打を達成した坂本は、球史に名を刻む名選手だ。体に負荷のかかる遊撃で10年以上レギュラーを張り、高水準の成績を残している歩みは唯一無二だ。一方で34歳という年齢を考えると、中長期的なチーム作りの観点で後継者を育てなければいけない。その有力候補が門脇だ。堅実な守備と強肩に加え、身長171センチと身長が高いとは言えないがフルスイングで力強い打球を飛ばす姿は、侍ジャパンで4番を張った吉田正尚(レッドソックス)と重なる。体が強いのも持ち味で、首脳陣の評価が高い。原監督は「ストロング門脇」と命名している。
また、攻守で野球センスが光る中山も遊撃のレギュラーを虎視眈々と狙っている。昨年は坂本が故障で離脱した際に遊撃のスタメンに入る機会が多く、50試合出場で打率.198、0本塁打、3打点。非力な打撃が課題だったが、今年のオープン戦では打率3割超えと好成績で強烈にアピールしている。
スポーツ紙デスクは「坂本がこのまま状態が上がらないようだと、開幕スタメンを剥奪される可能性もゼロとは言えない。シーズンは長いですし、本来の状態を取り戻すまで門脇や中山を遊撃で起用する可能性が考えられる」と指摘する。
3年ぶりのV奪回に、不可欠な選手であることは間違いない。坂本は「不動の遊撃」として今年も君臨できるか(今川秀悟)