撮影は、今も続いている。旅する写真家が「ただいま」と月に1度、帰る場所。現場の人々からの「おかえり」という優しいその言葉は、自分たちの「仲間」である山崎さんに向けられている。(編集部・三島恵美子)

■書店員さんオススメの一冊

 菊池真理子さんによる『生きやすい』は、自分を楽に生きるためのコミックエッセーだ。ブックファースト新宿店の渋谷孝さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

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 実写映画化が決定した『酔うと化け物になる父がつらい』で、実の父親のアルコール依存を描いた著者。

 今作は自身の“めんどうくささ”とうまく付き合うにはどうすればいいのかを描くノンフィクションエッセーコミックだ。

 自分が気にするのは常にネガティブな「未来」。相手と話をしていても、常に頭の中には「相手が亡くなり葬式に出ている私」を想像してしまう。何かを買う時も「捨てる時」や「なくすこと」を考えると躊躇してしまう。店員さんに話しかけられるのが苦手、いつも最悪なことを想像してしまう。皆と一緒にはしゃぐことができない。同僚に対して、どのタイミングで敬語をやめていいのかわからない……。

 そんな、生きづらさを感じている人にオススメの、自分を楽に生きるための一冊である。

AERA 2019年6月24日号

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