ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。
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「山椒は小粒でもぴりりと辛い」って言いますよね。世界的に活躍するTOMI(トミー)−E(イー)というグラフィティアーティストがまさにそれです。友だちで、小粒なんですけど、お酒を飲む量と飲んだときの暴れっぷりが半端ない。あいつと遊ぶときは、ある意味死を覚悟しますね。少なくとも、次の日の夜までは一緒に飲むっていう覚悟が必要なんです。
先日は僕の誕生日になったばかりの深夜0時に電話がかかってきて、「今日は俺に身を預けてくんねぇか」と。最終的に、彼のアトリエで僕と、僕の弟と3人でブレイクダンスバトルに。翌日電話で「体中に擦り傷あるんだけど、何か知らねぇ?」って聞かれました。
山椒と言えば鰻。実は、あの組み合わせを覚えたのはここ15年ぐらいなんです。蒲焼きをつまみに酒を飲んでるとき、試しにかけてみて「ほー、まぁ、ありかな?」って。ただ、今でも鰻重にはかけません。山椒って、口がスーッとするじゃないですか。僕、歯磨きをしたすぐ後にごはんを食べるのがちょっとイヤで。ごはんに清涼感はいらないんですよね。
※AERA 2019年6月24日号