新しい言葉を覚えるとその分新たな世界が広がるといいますが、わたしは最近「二人育児」という言葉を知って、新たな世界に触れました。
同時期に二人目を産んだ日本の友だちから「お互い二人育児がんばろうね」というラインをもらい、「はて、二人育児? 最近はやりの『ワンオペ育児』に対して、夫婦二人でやる育児ってことかな?」などと思ってグーグル検索してみたのです。結果、そこには壮絶な体験談の数々が広がっていました。
二人育児に関連する検索キーワードは、「二人育児 疲れた」「二人育児 いつから楽に」「二人育児 上の子 イライラ」。つまり、二人育児とは二人の子どもを一度に育てるってことで、それはそれは大変!という叫びがネット上に続々。
中でも涙なしに読めないのが二人育児の「入浴テク」。今これを読んでくださっている方々は毎晩当たり前のようにされているのかもしれませんが、下の子を裸でバスタオルに寝かせておき、超特急で上の子を洗って着替えさせ、次は下の子を入れ、その間お母さんは素っ裸、そしてお父さんは当然不在――という“テクニック”を読むと、日本のお母さんがんばりすぎだろう、と涙がこみ上げてくるのです。
アメリカの入浴方法は、日本と比べたらたいへん雑です。浅いバスタブにお湯をはり、その中で少し子どもを遊ばせたら(遊びは省略も可)、お湯を抜きつつシャンプー・ボディーソープ(1本に統一されていることも多い)でササーッと洗って流して、おしまい。体を洗ったお湯、つまり汚れたお湯につかる状況が生まれるんですが、そんな細かいことは気にしません。わたしのアメリカ人義母なんて、バブルバスに孫3人を放り込み、その後お湯で流しておわりにしていました。バブルバスの泡で体が洗われているだろうという考え方です。
子どもと一緒に浴槽へつかることもありません。子どもに親の裸を見せる文化がないからです。住宅環境にもよりますが大人用と子ども用でバスルームが別にあって、親がお風呂に入る姿を子どもは一生見ないこともあります。親と子で別々にお風呂に入るとその分時間はかかるんですが、精神的にずっと楽です。親にとっては、ひとりでシャワーを浴びるのが貴重なリラックス時間にもなります。