演技後のミックスゾーンで、3回転ルッツ―3回転トウループを跳ばないことは事前に決めていたのか尋ねると、三原は「今日の朝の練習の時に、やっぱり足がもっていなくて」と答えた。

「(ダブルアクセルに3回転トウループをつけた方が)GOEの加点というところで、より多くもらえるかなって。今までいろんな構成でやってきたので、その構成にしようっていうふうに思って。『やっぱり、ルッツ跳ぶだけのパワーが足りなかったのかな』って、すごく後悔しています」

 構成を落としただけではなく、ミスも出た。後半に跳んだ3回転ルッツの着氷はステップアウトになり、3回転を予定していたループも2回転になってしまう。他にも4分の1回転不足と判定されたジャンプが二つあり、三原のフリーだけの順位は6位、総合では5位という結果になった。

「ショートを終えた時点で、いつも以上に体の疲労っていうのがあって」

「世界選手権に来る前の練習で最後の最後の詰めがまだまだ足りなかったので、後半のミスにつながってしまったのかなって思っています」

 そう振り返った三原は、体調不良から復帰した今も「長時間滑ることがなかなかできない」と明かしている。

「『短い時間で集中してやる』といつも決めてはいるのですが、トップアスリートには短い練習だけではなれないところもあると思うので。後半の弱さが出てしまうのは、あと一息の練習の足りなさだったのかなというところで、『もっと頑張りたい』という思いがあります」

 さらに、三原を指導する中野園子コーチは、足に不調があったことをうかがわせていた。一夜明け会見でそのことについて聞かれた三原は、「私からは言わないでおこうと思っていて」と穏やかに、しかしきっぱりと答えている。

「コンディション調整というところも含めて、アスリートになっていかないといけないなと思うので。みんないろんなものを抱えていると思うし、どんな状況も表に出さずに滑る、心配させないようなスケーターになりたいなと思うので、すいません、答えられないです」

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「ここからどんどん積んでいきたいなと」