厳しい状況でフリーに臨んだ三原だが、喜びも感じていたという。

「会場が温かさに包まれて、たくさんのバナーが見えたり、たくさんの方々のおかげで昨日も最後まで滑ることができた。本当に『日本での世界選手権に出ることができて、すごく幸せだな』と思ったと同時に、やっぱり悔しさも大きいので。来シーズンも世界選手権という舞台に出られるように、ここからどんどん積んでいきたいなと思っています」

 三原は、4月に行われる国別対抗戦(東京体育館)のメンバーに選ばれている。フリー後のミックスゾーンで、三原は国別対抗戦への意欲を語っていた。

「次の試合、国別対抗戦にもし出していただけたら、今回の自分の演技に悔しい思いをしたところを全部直して、発揮できるようにしたいなって思います」

 4月の東京体育館で、三原はトップアスリートになるための新たなスタートを切る。(文・沢田聡子)

●沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼