(1) 口やくちびるに触れる


(2) 口やくちびるをめくる
(3) 歯や歯肉に触れる
(4) 歯磨きシートで歯に触れる
(5) 歯磨きシートで磨く
(6) 歯ブラシを歯に当てる
(7) 歯ブラシを少し動かす
(8) 歯ブラシで磨く

 最初は口元をさわるだけ、慣れてきたらくちびるをめくる、それに慣れたら……というように、時間をかけて「歯をさわられること」に慣れさせていく。とにかく根気よく、あきらめないことが肝要だ。

 歯肉炎は歯周ポケットのある歯と歯茎のふちの部分から始まっていく。歯周ポケットには、歯磨きシートは届きにくいので、理想はやはり、歯ブラシで歯を磨くことだ。

「歯を磨くときは、歯と歯茎のふちを狙ってキレイにしてください。できれば歯垢(しこう)がたまりやすい奥歯から。一番悪くなりやすいのは上の奥歯です」

 というのが三浦さんのアドバイス。奥歯に届くように歯ブラシを入れ、ササッと軽く3、4往復もできれば大丈夫だ。

■赤ちゃん用の綿棒で

の場合、歯垢は1週間ほどで歯石になると言われているので、4日に1回くらいの頻度で歯磨きができれば歯石化を防ぐことができる。今日は右上、明日は左下などと、歯全体を4ブロックに分けて、毎日1ブロックずつ磨くやり方もある。

「歯ブラシがダメなら、僕は綿棒を薦めます。人間の赤ちゃん用の細い綿棒で、表面をさわったり、歯茎のふちをこすったり。歯ブラシの練習にもなると思います」(三浦さん)

子猫の場合、乳歯の段階から歯磨きをして慣れさせておけば、永久歯に変わってからも苦労が少ない。気をつけてほしいのは、シートや歯ブラシの誤食。十分注意したい。歯磨きが終わったら、遊んであげるなどのごほうびを。三浦さんは言う。

「歯磨きができなくなってしまうことのほうが損なので、少しでも猫が嫌がらないように、猫に優しく、猫に甘くです」

(文/大川恵実)

※AERA増刊「NyAERA (ニャエラ) ネコの病気と老い」から

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