【シプード共同代表】舩木真由美(ふなき・まゆみ)/1978年生まれ。「広報の家庭教師」として主にスタートアップを支援する。番組制作会社、PR会社2社、大手IT企業などを経て夫が立ち上げたシプードへ(撮影/写真部・掛祥葉子)
【シプード共同代表】舩木真由美(ふなき・まゆみ)/1978年生まれ。「広報の家庭教師」として主にスタートアップを支援する。番組制作会社、PR会社2社、大手IT企業などを経て夫が立ち上げたシプードへ(撮影/写真部・掛祥葉子)
国際女性デーの際に東京で行われたデモ。女性の待遇改善や、セクハラなどの防止を訴えた/2017年3月8日 (c)朝日新聞社
国際女性デーの際に東京で行われたデモ。女性の待遇改善や、セクハラなどの防止を訴えた/2017年3月8日 (c)朝日新聞社

 ダイバーシティ(多様性)の重要性がうたわれるようになった昨今。それでも性差を意識する場面はまだまだ多い。アエラで実施したアンケートでも、「女性の呪縛」を感じる女性が少なくないことがわかった。

【写真】国際女性デーの際に東京で行われたデモ

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 性別が違うだけで、なぜこうも生き方が違うのだろう──。PRの観点から主にスタートアップを支援する「シプード」共同代表の舩木真由美さん(40)は、小学生の頃、漠然とそんなことを感じていた。両親は同い年で、ともに東京の大学を卒業。大学のレベルもほぼ同じだ。父は地元のテレビ局勤務。母はその系列のラジオ局で働いていた。どう見ても対等なはずだ。

「でも当時は、女性は寿退社が当たり前。母は専業主婦になったものの、パワーが有り余っていたのか、私が小学生の頃PTA副会長を務めていた。『お母さん、本当は働きたかったんだな』と感じていました」

 大学に入り、就職活動を始めると、性差を意識せざるを得ないことが増えてきた。友人たちは「女の子だから一般職にするか、総合職にチャレンジするか」で悩んでいる。なぜ女性だけ?と不思議だった。自身は番組制作会社に就職するも、体を壊して退職。

 20代半ばで結婚し、当時スタートアップだったPR会社に転職するが、数カ月後に妊娠。退職を余儀なくされた。

「産休や育休の制度を整えることは考えていない。創業メンバーの誰かが妊娠したら考えるけれど、それまでは無理、と上司に言われました。いまでも、その悔しさがバネになっています」

 こんな悔しい経験をしたり、漠然と「壁」を感じたりしてきた女性は多いだろう。昨年は、医学部入試を巡る女性差別が発覚。女性がセクハラや性被害を告発する#MeToo運動も大きなうねりとなった。これまで沈黙してきた女性たちが声を上げられるようになった証しではあるが、いまだに差別が深刻なことも事実だ。

 これらのさまざまな壁が女性にのしかかり、「女の子だから無理」「女の子だから前に出なくていい」などの“呪縛”を生んできた。アエラは、3月8日の国際女性デーを前に、アエラネットなどを通してこの「女性の呪縛」について緊急アンケートを行った。78人が回答した。

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