「いまだに女性には、社会で活躍するために差別やハンディがあると思うか」という質問には、72%が「大いにある」、26%が「少しある」と答えた。

「日本の職場ではまだ、女性は可愛らしく、男性をサポートすることを求める男性が多い。はっきり意見を言ったりするだけで、『生意気』『怖い』などと言われてしまう」(51歳女性)
「夫が家事や育児を半分程度担うと、とても素晴らしいことのように褒めたたえられる。妻は『半分もやってもらえていいね』と言われる」(34歳男性)

 どうすればこの呪縛から解放されるのか。

 前出の舩木さんは、妊娠を機に退職した後、約2年間専業主婦となった。女性だから、子どもがいるから、自分にはアルバイトしかない、と思い込んでいた。けれど、「PRの経験があるならうちに来ない?」と声がかかったことで意識が変わった。

「PRや番組制作の経験がある。自分の持つスキルやキャリアがレアであればあるほど、チャンスだと気づきました」(舩木さん)

 その後、大手IT企業に転職し広報を務め、第2子を出産。その後には、思いを形にするため新しい会社に移り、新規事業も立ち上げた。もう「女性だから」という思い込みにとらわれている自分はいない。

 アエラのアンケートでは、「呪縛から解放され、自分らしく活躍するためにどんな努力をしてきたか」も聞いた。目立った回答は、「自分にできる仕事を精一杯こなす」だ。

「いま生きている世界で、誰にも負けない、と自分が思える知識を身につける。スキルアップのために働きながら、必要だと思われる資格を取得したり、積極的に社外の人たちに会ったり」(42歳女性)

 自分の強みを整理する。そして精一杯仕事に向き合い、時間がかかっても評価や信頼を勝ち取る。それこそが呪縛から解放される近道なのだ。(ライター・古谷ゆう子)

AERA 2019年3月11日号より抜粋

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