「ごみとして出していい、別料金で引き取る、一切扱わないなど、動物の死体の扱いは自治体によりまちまち。ペット火葬を行う自治体もあるものの、まだ多くなく、返骨のないところが大半です。社会の実情に追いついていません」

 多くの飼い主が民間のペット葬儀を利用するなか、特に注目されているのが、冒頭の訪問葬儀だ。訪問葬儀は固定火葬炉のあるペット火葬場ではなく、移動火葬炉を積んだ車両で火葬する。人が霊園まで出向く必要がなく、慣れた自宅でペットを送れるというメリットがある。

 女性が葬儀を依頼したジャパン動物メモリアル社によると、訪問葬儀の依頼は年々増加し、同社が行った訪問葬儀は3年間1都3県で1万5千件にのぼる。料金はプランとペットの体重ごとに設定され、女性が利用した「家族立ち会い葬」は6キロ以下で2万7千円(税込み・出張費込み)。週末や、平日なら家族の集まる夕方や夜間の依頼が多い。犬やが多数を占めるが、ウサギや小鳥やアロワナ、蛇まで、動物の種類はさまざまだ。(編集部・澤志保)

AERA 2019年3月11日号より抜粋