「高橋さんのことを悪く言う人を聞いたことがない」
村元も演技後の取材で高橋についてこう話していた。
「やっぱり人間性。人として大ちゃんといることで自分も人間として成長させてもらったかな、と感じるので、ほんと、オンオフいい勉強になりました」
■哉中ちゃんに感謝
一方の高橋。村元について演技後のインタビューで、こう語った。
「3シーズン含めて、本当にここまでお互いが納得できた演技っていうのはたぶん、この(世界選手権で滑ったフリーダンスの)『オペラ座の怪人』が初めてだと思えるぐらい気持ちよく滑れたので。本当に喜びというか成長というか……。哉中ちゃんが誘ってくれなかったらアイスダンスをすることもなかったので、いろんな意味で感謝」
技術だけでなく、2人の熱量や目標がマッチしてないと難しいといわれるカップル競技。高橋も村元も競技者として互いに尊敬し合い、人間性も認めている。相手がいて高め合うことができたからこそ、新しい世界が開けた演技だった。 (大崎百紀)
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フリーダンスの演技後の囲み取材の主なやり取りは以下の通り。
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高橋:いやもう素直に嬉しい。ほんとにミスなく演技をすることができて、最後までオペラ座の世界観に入り込んでというか。エネルギーも切れることなく。久しぶりの感覚だったので。しかも今回は自国大会でプレッシャーも大きかったんですが、そんななか納得のいく演技ができてよかったです。
村元:最後ね、お互いの顔見てね。なんか笑ってたのかな?
高橋:なんかね。「行けるぞ感」がね。
村元:でも最後まで気を抜かずにね。本当にミスなく終わってすごく嬉しい。
――会場の盛り上がりどう感じていたか。
村元:今回はミッドダンスの方はすごい感じたんですけど、本当に二人だけの世界。自分も入り込んだので。見守られてるなというのは、すごい感じたんですが、終わって最後のポーズでお客さんがバーっと(そこで実感した)。