いきものたちのブラックともいえる厳しい生態やオキテを、脱力系のタッチで紹介する『ブラックないきもの図鑑』(朝日新聞出版)が12月14日に発売された。動物たちが自分の言葉で、厳しい現実を嘆き、その解消策となる格言も示される。ホッキョクグマの嘆きとは?
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【ブラックないきものからの悩み】
ホッキョクグマですが…… 洗っても洗っても、毛の汚れが落ちません(メス・14さい・好物はアザラシ)
とてもショックです。わたしの大切な白い毛が、緑色に汚れてしまいました。
多分、コケが生えたせいだと思います。でも不思議なのは、いくら触ったり泳いだりしても、全然汚れが落ちてくれないんです。一体どうすれば元の美しい白い毛に戻れるのでしょう。
わたしにとって毛は、寒さのきびしい北極で生きていくために欠かせないものです。この毛が、体温が外に逃げるのを完璧に防いでくれるから、真っ白な氷の大地でも生きていけます。
それなのに、わたしのほうが「シロクマ」ではなく「ミドリグマ」になってしまうなんて……。これでは体の色が目立って、アザラシもつかまえられる気がしません。
このまま悩んでいたら、白髪が増えそうです。まあ増えてもどうせわかんないんですけど。
■こんな風に生きてます
ホッキョクグマの毛は、ストローのように中が空っぽになっています。この空っぽの部分に空気がたまり、全身が温かい空気のクッションに包まれているようになるので、寒い北極でもへっちゃらなのです。しかしまれに、この毛の空っぽの部分にコケが入り、緑色になってしまうことがあります。コケは毛の中にあるので、洗っても落ちないのです。
■お悩み解消格言
幸せな人生の秘訣とは、変化を喜んで受け入れること。(ジェームズ・スチュワート/俳優)
(文/ラポリ)