部活についてどう思う?(AERA 2018年12月10日号より)
部活についてどう思う?(AERA 2018年12月10日号より)
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中学校での部活動「休養日」は?(AERA 2018年12月10日号より)
中学校での部活動「休養日」は?(AERA 2018年12月10日号より)

 先生の長時間労働や体罰などの温床となっている“ブラック部活”。先生も生徒も、生き生きと取り組める部活に変えようという動きが出始めている。

【アンケート結果】中学校での部活動「休養日」は?

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 先生も生徒も苦しめているもの、それが“ブラック部活”だ。

「硬式テニスで山中湖4泊5日。そのままバスケ部校内合宿4泊5日。2週間後に老人ホームにボランティア合宿2泊3日。休日に休めず、14連勤もざら」(神奈川県、20代高校教員)
「日本の学校は部活をやりすぎる。スポーツ庁・文化庁が抑制案を出したが現場はほぼ無視している。何も変わっていない」(京都府、主婦、子ども中2・高3)

 アエラが今回行ったアンケートでは、先生からも親からも疑問の声が上がった。

 社会的にブラック部活が問題になるなか、今年度からスポーツ庁が「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(指針)」の運用を開始。週2日以上の休養日を設けることなどを盛り込んではいるが、アンケートで「部活が変わった」という声はほんのわずかだった。

 スポーツ庁の2017年度の調査では、公立中学校全体の30.4%が生徒に対し、「全員が所属し、活動も原則参加する」という「全員入部制」をとっている。先生についても、16年度調査によると、87.5%と9割近い中学校が「全員顧問制」を取り入れる。一方、名古屋大学の内田良准教授らが行った公立中学校の教員約3千人を対象とした調査では、次年度に「部活顧問をしたい」と考える人は約52%、「したくない」は約48%とほぼ半々だった。

 部活をやりたくない子も、顧問をやりたくない先生も、部活に縛り付けられている実態が浮かぶ。

 部活は、学校の不自由さの象徴のようだ。そもそも学習指導要領で部活は「生徒が自主的に取り組むもの」とされているが、教育課程外の活動なのに「学校教育の一環」とも記され、管理するような矛盾をはらむ。

 そんな“ブラック”な部活動を変えようという動きがある。子どもも先生も意欲的に取り組める“ホワイト”な部活にしようとする人たちがいる。

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