左からチーフデザイナー、編集長、記者、デスク、イラストレーター、記者(幹事)。進行はグダグダだったけど、みなさん「超楽しかった」と高評価でホッ(撮影/写真部・小山幸佑)
左からチーフデザイナー、編集長、記者、デスク、イラストレーター、記者(幹事)。進行はグダグダだったけど、みなさん「超楽しかった」と高評価でホッ(撮影/写真部・小山幸佑)

 存分に酒を飲ませて、みんなでウェーイとなれば、飲み会幹事は合格……というのは昔の話。現代の幹事はこれまで見てきたようにセクハラやパワハラを防ぎ、飲み会が持つ様々な効果を最大限に発揮させ、職場を活性化させることが使命だ。

 そこで、「アエラ『飲みニケーション特集』チームで究極の飲み会を催してみよ」というのがデスクから筆者に与えられたミッションだ。名幹事は仕事だって「できる人」と見なされる。ダテに年を取っていないところを存分にお見せしますわよ。

 というわけで、AERA本誌で特集した「飲みニケーション」にまつわる記事や幹事のノウハウ本を参考に準備開始。まず重要なのが店選びだ。段取りが悪くても、上司と飲むのがウザくても、味がよければすべてよし。おいしい料理は、全不満を封じる力がある。それが「ランチョン効果」だ。

 安い大手チェーン店を避け、相場といわれる飲み放題付き1人あたり5千円前後の店をリサーチ。デスクが過去の宴会で「おいしかった」と太鼓判を押す居酒屋に予約を入れることにした。参加者を仲良くさせる「近付き効果」を得るには、お座敷が一番。幹事のコントロールが利いてリーダーシップも見せつけられるし。

 宴会もビジネスと同じで「事前のシミュレーションの深度が成功率を左右する」(児玉教仁著『ハーバード流宴会術』)という。幹事の肝はシミュレーション。会場が決まったら席次表やタイムテーブルを作り、宴会の流れを想定してみる。

 今回の参加者は、編集長、チーフデザイナー、デスク、イラストレーター、記者2人の計6人。飲みニケーションは上座・下座を作らないのがコツ。大阪出身のしゃべくりデスクに、盛り下がりがちな端の席に座ってもらうなど、よくしゃべる人、そうでない人をバランス良く配して席順を決めた。

 続いてタイムテーブルの策定だ。予定は2時間。メンバーはほぼ全員顔見知りだが、まずは短い自己紹介で、会場のエンジンをあっためることにした。続いて、おいしい料理と並ぶ宴会のキラーコンテンツと言われる「ゲームの景品」も用意した。

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