「キャリアインカレ2017」の様子。18年度の決勝は来年1月に開催され、インターネット中継もされる(写真:マイナビ提供)
「キャリアインカレ2017」の様子。18年度の決勝は来年1月に開催され、インターネット中継もされる(写真:マイナビ提供)
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 就活ルールの廃止がもたらすのは「みんな一緒」の時代の終焉(しゅうえん)だ。いつからどこでどう働くのかは自分次第。転職ももっと当たり前になる。決められたルールの中で動くのではなく、すべてを自分で決める時代がやってきた。

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 4カ月かけて懸命に練り上げたプランは、はたして通用するのか――。

 10月10日。東海大学情報通信学部朝日研究室のメンバー7人は緊張した面持ちで「最終プレゼン」に挑んでいた。

「『学生のチョコレート消費量を5倍に増やせ』という課題に対して、私たちが考えた戦略はこちらです。購買データを分析した結果……」

 マーケティングリサーチ大手マクロミル主催の「データ分析に基づいたマーケティング戦略立案コンテスト」。「データを活用できる人材の育成と、優秀な学生と企業とをつなぐのが狙い」(マクロミル広報)で、2回目の開催となる今年は、江崎グリコ、全日本空輸、ソフトバンク、アサヒビールの4社が「課題」と「課題解決のための実データ」を提供した。

「学生のチョコレート消費量を5倍に増やす」「旅アプリを使って若年層ユーザーを拡大する」「ソフトバンクショップを活用した新規ビジネス」「ビール類やチューハイを飲む若者を増やす」など課題はいずれも実践的。各社ともに提案は「斬新なものが多く、本気で事業化を検討するので」という理由で詳細はすべて非公開とされた。

 経団連が打ち出した「就活ルールの廃止」に世間は揺れた。しかしここ数年、ルールの形骸化が進む中で、一部の学生や企業は新しい発想で、ルールなき時代を歩き始めている。

 冒頭のビジネスコンテスト(以下ビジコン)もそのひとつ。これまで、ビジコンといえば、起業家の発掘やベンチャー企業の支援が主流だったが、最近こうした「学生と企業の出会いの場」としてのビジコンが密かに注目を集めている。

 今回のマクロミルのビジコンには全国の大学生・大学院生総勢800人、266チームがエントリーし、筑波大、創価大、法政大、名古屋学院大、福岡大、実践女子大、慶應義塾大大学院など12チームが決勝に勝ち残った。

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