料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「豚バラ肉入りおでん」。
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立春を過ぎましたが、夜は冷え込むこの季節。温かい「おでん」をお供に晩酌はいかがでしょう? 厚揚げの代わりに豚バラ肉を入れたところ、息子たちに大好評! 私の出身地、関西で定番のたこも入れて作ってみました。
おでんは下ごしらえが肝心。とくに大根は味がしみにくいので、隠し包丁を入れ、竹串がすっと通る程度に下ゆでしておきます。豚バラ肉はフライパンで表面を焼き固めたら、余分な油をペーパーで拭き取りましょう。
次に、鍋にだし汁と調味料を入れて沸かし、具材を煮ていきますが、入れる順番も大事。味が入るのに時間がかかる野菜や肉、ゆで卵などを先に入れます。竹輪のような練り物は煮込みすぎると味が抜けてしまうので、最後に入れてください。ゆでだこは、あらかじめ包丁で数本切り込みを入れておくと食べやすいですよ。
早めに準備を始め、煮えたらいったん火を止めて2~3時間置きましょう。味が具材にしっかりとしみて一段とおいしさが増します。
(構成/沖村かなみ)
■豚バラ肉入りおでん
【材料】(4人分) だし汁2L、A(薄口醤油40ml、酒大さじ1、塩・砂糖各小さじ2)、大根12cm、にんじん12cm、豚バラ肉(ブロック)400g、こんにゃく1枚、ゆで卵4個、ゆでだこ(足)4本、竹輪2本
【作り方】(1)大根は厚さ2cmに切って厚めに皮をむき、十文字の隠し包丁を入れる。にんじんは皮をむいて厚さ2cmに切る。それぞれ10~15分、下ゆでする。(2)豚バラ肉は厚さ3cmに切り、焼き色を付け、余分な油を拭く。(3)こんにゃくは三角に切り、格子状の隠し包丁を入れ、軽く下ゆでする。(4)鍋にだし汁、Aを入れて火にかけ、沸いたら(1)~(3)、ゆで卵を入れ、弱火で約40分煮る。串に刺したゆでだこ、半分に切った竹輪を加えて約10分煮る。
【ワンポイントアドバイス】大根はだし汁がしみやすいよう片面に深さ1cmほど十文字に切り込みを入れる。
豚バラ肉は表面を香ばしく焼くことで煮崩れを防ぎ、うまみを閉じ込める。
※週刊朝日 2023年3月3日号