その点については、

「自分の“子分”を市長にしたらだめです。丸谷さんは私に『ため口』でいろいろと言ってきます。口うるさい私に文句を言うくらいの人でないと市長は務まりません」

 と説明し、こう続けた。

「私はトップダウンで明石市を変えてきましたが、それと同じやり方ではだめだと思います。丸谷さんは私とは逆にボトムアップ、下から上への市政を目指しています。私は市議会ともマスコミともよくケンカをしました。自分でわかっていてもそうなってしまいます。その点、丸谷さんは、べらべらとしゃべってケンカになるようなことはないでしょうし、私のようなトラブルは起こさずに市政の継続をしてくれるはずです」

 丸谷氏は市長選への出馬について、

「市民と対話しながら、一緒の目線で泉市長の政策を継承していきたい」

 と話している。

 明石市長選には、市議会では最大の自民党会派に所属していた林健太氏(40)が、無所属での立候補を表明している(自民、公明が推薦)。泉市長が実施してきた「五つの無料化」については「市議として賛成した」と継承する考えを示している。

 2019年の市議選では林氏がトップで、丸谷氏は3番目の得票だった。林氏は、明石市が地盤の西村康稔・経済産業相の秘書を務め、市議に転身した。

 林氏を支援する自民党の市議は、

「泉市長とは対立してきた自民党だが、市長選は3回続けて泉氏に負けている。西村大臣も市長選が始まる前からマイクをにぎるほどの力の入れようです。林氏は西村大臣のとっておきの候補(予定者)。今回は勝ちたい」

 と意気込む。

 市長選には、元加西市長の中川暢三氏(67)も立候補を表明しており、政策面では教育子育てに力を入れるとの考えを示している。

 さて、市長選後の泉市長の動きが気になるところだ。

 以前、AERAdot.のインタビューには、「退任後はプレーヤーではなくバックアップ、サポートする側にまわりたい。政治家としては引退」と話していた。

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「次は知事をやってほしい」と言われます」