このマックイーンの件はいったんは当たったと思わせるぬか喜びが罪作りだったわけだが、一瞬にして夢も希望も打ち砕かれたのが2015年の宝塚記念。3連覇がかかっていた大本命のゴールドシップがスタートで飛び上がるように大きく出遅れ、この一瞬で推定120億円の馬券は事実上の紙くずと化した(ゴールドシップは15着に惨敗)。

 また、上記2頭のインパクトには及ばないものの、2002年の菊花賞では1番人気に推されていた皐月賞馬ノーリーズンに騎乗していた武豊騎手がスタート直後に落馬失格に。2019年の有馬記念では単勝オッズ1.5倍の断然人気に推された最強牝馬アーモンドアイが9着と惨敗し、200億円近くが吹っ飛んだと言われている。

【大赤字の競馬場で1日8億円を売り上げた救世主】

 日本の競馬はJRAが主催する、いわゆる中央競馬だけではない。NAR(地方競馬全国協会)が管轄の地方競馬でも令和4年度の総売上金額が過去最高の1兆703億5968万3860円に達するなど、競馬場閉鎖が続いた冬の時代から脱却しつつある。

 かつて廃止の瀬戸際まで追い込まれていた高知競馬に救世主として登場したのが、日本全国にとどろくブームを巻き起こしたハルウララだった。累積赤字が88億円にも達していたとされる高知競馬がなんとか話題作りをと注目したのが、負け続けても走り続けたハルウララ。100敗してもひたむきに走る姿に励まされたという声が全国から届き、グッズの売り上げなどで高知競馬に貢献していた。そのハルウララに武豊騎手が騎乗した2004年3月22日は、交流重賞の黒船賞が行われたこともあって1日の売り上げが8億6904万円にもなったという。

 現在は競馬は見て楽しむというカジュアル層も多いが、やはり馬券を買って「推し馬」を応援すると熱の入り方も違ってくるというもの。折りしも、もうすぐダービーという競馬の祭典がやってくる。懐と相談して節度を保ちつつ馬券デビューしてみてはどうだろうか。(文・杉山貴宏)

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