高齢出産の場合特に、ひとりっ子になる場合もある。きょうだいがいないと自分勝手になる?など、ひとりっ子にまつわる俗説に振り回されて不安になる親もいるが……。
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娘(8)が5歳のころ、初めて入った食堂で、店員のおばちゃんがテーブルを拭きながら、女性(44)にこう言った。
「あら、お嬢ちゃん、ひとりっ子? きょうだいがいないとかわいそうよね」
はっ!? ふつふつと怒りと悲しさがこみあげた。なぜひとりっ子の親はこうも傷つけられることが多いのか……。一昨年、娘が七夕の短冊につたない字で書いた言葉にもドキッとした。
「ママのおなかにあかちゃんがきますように」
第1子を高齢出産で授かると、2人目をどうするかは大関心事だ。キャリアや出産リスクなどとの兼ね合いで心が揺れる。今回アエラが行ったアンケートにはそうした声が多く寄せられた。
「今年で42歳になります。第2子が欲しいけれど体力的に自信がなく、ひとりっ子にするかどうか、葛藤している最中。1年以内に結論を出すつもりです」(41歳・2歳児の母)
「2人目はもう無理かなと思うので、もっと早くに赤ちゃんを真剣に考えた人生を歩めばよかった」(46歳・5歳児の母)
冒頭の女性は36歳で娘を出産後、仕事と子育ての大変さでしばらくセックスレスになった。
「本当はもうひとり欲しいのですが、年齢的にも7割方あきらめています……」
女性自身は3歳上の兄に鍛えられたくましく育った。娘がひとりっ子となって、最も心配なのは打たれ弱い子にならないか。女性はアウトドアに連れていく機会を多く持つようにし、加えて、子育てをシェアする家族のネットワークもつくった。
「お互いに子どもを預け合って、ほかの親にも普通に自分の子を叱ってもらっています」
保育園や幼稚園など子ども社会での過ごし方を大事にしている親も少なくない。3歳の男の子を持つ、メーカー勤務の女性(41)は保育園での友達とのトラブルで、わが子に肩入れしすぎないように気をつけている。