【※ネタバレ注意】以下の内容には、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
『鬼滅の刃』TVアニメ新シリーズは、剣士だけでなく、鬼殺を支える刀鍛冶たちも活躍する。特に1話から登場して大きな注目を集めたキャラクターは、「戦闘用カラクリ人形」を使って炭治郎に剣技の「スパルタ特訓」を行った、毒舌の少年・小鉄だ。まだまだ幼く、技術も未熟な小鉄は、炭治郎との交流を通じて、刀鍛冶として少しずつ成長をとげていく。また、霞柱・時透無一郎も小鉄との出会いによって“新しい変化”が生まれていく。今回は、刀鍛冶の里編の注目キャラ・小鉄少年の特徴と物語上の役割について考察する。
* * *
■毒舌の刀鍛冶たち
鬼殺隊が使用する武具・日輪刀は、「太陽」の超自然的なパワーを含む特殊な材料を使って、刀鍛冶の里で作られる。強大な戦闘力を持つ鬼たちに、弱点はほとんどない。太陽の光、藤の花、そしてこの日輪刀だけが、鬼との戦いに有効となる。戦闘の要ともいえる武具を生み出す拠点が、この刀鍛冶の里である。
刀鍛冶の男たちは「ひょっとこのお面」を顔につけ、ふだんの口調やしぐさはコミカルだが、炭治郎の鍛刀を担っている鋼鐵塚蛍(はがねづか・ほたる)を筆頭に、どの人物も実は気性が荒い。
鋼鐵塚は刀を折った炭治郎に「万死に値するゥ !!!」と襲いかかったことがあり、刀鍛冶の里で登場する小鉄少年は、訓練中の炭治郎に対して「この程度で死んでるようじゃ カスですよ」と暴言を吐いている。彼らの乱暴な口調に振り回される炭治郎の様子は気の毒ではあるが、どこかコミカルで笑いを誘う場面が多く描かれている。
■「柱」の命令を拒否する小鉄
炭治郎が刀鍛冶の里をはじめて訪れた際、小鉄少年と時透無一郎が激しく口論する様子を目にする。
「どっか行けよ!! 何があっても鍵は渡さない 使い方も絶対教えねぇからな!!」(小鉄/12巻・第102話「時透くんコンニチハ」)
刀鍛冶の一員とはいえ、小鉄はまだ10歳。無一郎に対して、少しおびえている様子すら見せていた。それにもかかわらず、小鉄は鬼殺隊の「柱」に対して強い口調で反抗している。彼にはそれほどまでに“守りたいもの”があったからだ。