![未来を創造するスタンフォードのマインドセット イノベーション&社会変革の新実装※Amazonで本の詳細を見る](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/0/1/697mw/img_01a8d7698896a11757dc17ed69323ecb120662.jpg)
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諸外国では急速に社会実装が進んでいるものの、カルチャーの違いもあり、日本社会でODRが広まるには、もう少し時間がかかるかもしれない。それでも、これからも変わらずに、利用者を中心とした法的サービスのあり方に関する研究を積み重ねていくのだろうと思っている。トラブルで困る人を少しでも減らすためにも、ODRをデジタル社会に必須の仕組みとして、広く受け入れてもらえるように、働きかけていきたいという思いがあるからだ。
それにODRがカスタマーサービス機能をもつ企業や各種相談センター等で導入されれば、オペレーション効率が高まりコスト削減ができるだけでなく、利用者の満足度を向上させることもできるだろう。実際に、アメリカで行われた研究によると顧客に特別な体験を提供して喜ばせることよりも、顧客が抱える問題の解決にかかる作業負担を減らすことがロイヤリティを高めるということが明らかになっている。ODRも同様に、デザインの工夫をすれば、事業者や紛争解決サービスの運営主体と個人、その双方にとって、メリットのある仕組みにすることができるものと考えている。
ODRには、紛争解決手続をオンライン化するということ以上に、大きな可能性があると感じている。制度設計をする側のビジョンやアイデア次第で、イノベーティブなサービスを創造することができるからだ。ODRがリーガルテックの一領域として今後発展していくこと、そして、社会システムとして必要な仕組みだと認識してもらえる時代が来ることを信じつつ、研究の成果がODRの社会実装へとつながるよう、また、技術を活かして法的サービスへのアクセスをひらくというビジョンが形になるよう、少しずつでも前に進んでいきたいと思う。
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