「澤村の腕組みには賛否両論がある。投手がやることで威嚇、挑発行為とも取られかねない。一歩間違えれば、打ち取った打者を蔑むアクションになる。澤村は深く考えてのパフォーマンスではないのかもしれませんが……」(ロッテ担当記者)

「パフォーマンスにはTPOが重要。WBCでのアロザレーナは本塁打を自らもぎ取った特別なプレーだったから盛り上がった。MLBで安打や本塁打を打った際に同ポーズを行ったこともあったが、その時には非難の声も聞かれた。度が過ぎると報復行為の対象になりかねない」(在米フリーライター)

 米国にはアンリトンルール(不文律)が存在する。ルールブックには載ってないが、長い習慣の中で当然守るべきとされているものだ。根底にあるのは相手選手へのリスペクトで、破れば報復行為が行われる。パフォーマンスには危険性をはらんでいることも念頭におく必要がある。

「アンリトンルールを理解できないという声もあるが、これは国によって考え方が最も異なる部分。しかし何も考えずにパフォーマンスをすると大失敗することはある。米国に挑戦する選手にはその辺のアドバイスもする」(大手マネージメント会社関係者)

「春の甲子園で東北高がペッパーミル・パフォーマンスをやった際、審判団から注意された。前時代的な注意だと大きな批判が集まったが、相手チームがどのように感じていたのかも大事。『盛り上がっているから何でもやる』では知らないうちにリスペクトを欠く危険性もある」(在京テレビ局スポーツ担当)

 またWBCでペッパーミル・パフォーマンスが流行したのは、メジャーでプレーするラーズ・ヌートバー(カージナルス)からの発信だったからというのもあるだろう。パフォーマンス以外でも、用具やユニフォームの着こなしまで、日本の野球界は米国で人気のものを無条件に取り入れてしまっている感も否めない。

「野球界最高峰でのトレンドが日本球界に流れるのは当然のことではある。ダブダブのユニフォームや帽子のツバの曲げ方、ヘルメットのフェースガードなどがそう。見た目の真似をしたい部分があるかもしれないが、中にはプレーにプラスになっているか疑問なものもある」(在米フリーライター)

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ただのマネはカッコ悪い?