高校の新指導要領で大きく変わる地理歴史と公民(AERA 2018年4月23日号より)
高校の新指導要領で大きく変わる地理歴史と公民(AERA 2018年4月23日号より)
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 2020年度から本格化する大学入試改革に伴い、学習指導要領が大幅に改訂された。小学校では正式に英語が教科となり、中学では単語数も増加し英語の授業レベルが難化する。高校にはどんな変化が起こるのか。

 高校の新指導要領が求めるレベルも格段に上がる。高校卒業時までに目指す語彙数は1800~2500語。小学校からの合計では最大5千語に達する。これは「英字新聞の8割以上を理解できるレベル」(同)。実際、新指導要領では「新聞記事を速読して必要な情報を取り出したり、時事問題など幅広い話題について発表・議論したりできる」ことが目標として掲げられている。

 SAPIX小学部・中学部などを運営する日本入試センターの當山淳さんによれば、高校入試も難化するのは間違いなく、すでにその流れは始まっている。例えば「大学入試改革など世の中の流れに敏感に反応して入試を変えてくる学校」(同)として知られる開成高校。15年以降、長文読解で「テコの原理」や「メンデルの遺伝の法則」といった理系の題材が出たり、17年にはstimulationやdissolvingといった中学生には難度の高い単語が注釈なしで出題されたりしている。他の難関校でも、IT分野や社会的テーマを扱った説明文の出題が急増しているという。

 20年度から始まる「大学入学共通テスト」では、4技能を測るため民間試験が導入される。高校入試でも、昨年春には大阪府の公立高校が、今春には福井県の公立高校などが、英検やTOEFL iBTといった外部検定試験の活用を始めた。東京の都立高校では、独自のスピーキングテストを早ければ19年度から試験導入する計画だ。いまの中2以降はそれに備える必要がある。

 これだけ変化が目まぐるしいと、学校も家庭もついていくのが大変だが、高校入試を突破した先ではさらに大きな変化が待ち構える。高校の新指導要領は、55科目中、27科目が新設や見直しになるなど、大学入試改革の内容を色濃く反映するものになっているのだ。

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