若者は自分が主語なのに対し、熟女は… (※写真はイメージ)
若者は自分が主語なのに対し、熟女は… (※写真はイメージ)

 昨今のAI技術の発展による業務の置き換えは、もはや対岸の火事とはいえない。AIに勝つためには、どんなスキルを身に着けておくべきなのか。各界の達人に聞いた。

 クイズ番組「Qさま!!」(テレビ朝日系)で、涼しい顔で正解をたたき出していくタレントの天明麻衣子さん。模試E判定から東京大学に現役合格したノウハウを著書『時短勉強術』で披露しているが、天明さんの発想は徹底して合理的だ。

「いかに使える知識にしておくかということが大事です」

 膨大な情報処理はAIの得意分野だが、それに対抗するには、情報量を減らして緩くひもづけしておくことで取り出しやすくしておく。そのためには丸暗記より緩く結びつけた記憶のほうが対応力が高い。これが高い読解力に結びつくという。

「教科書も文章ではなく、マインドマップにして覚えていました」

 客席からのリクエストに即興で応えることもあるお笑い芸人。NHK Eテレの番組「0655」で、視聴者から投稿されたお題でなぞかけをやっているねづっちさんは、どうやって「ととのえ」ているのか。

「まずオチから決めます」

 お題が出されたら関連ワードを思い浮かべる。それからオチを決め、逆算して「~ととく」の部分を当てはめる。例えばコーヒーというお題なら、アイスコーヒー、ホットコーヒー、焙煎、深煎り……と連想し、深煎りをオチにすると決めたら、同音異義語で「深入り」を導き出す。「コーヒーとかけまして人間関係ととく。その心は『ふかいり』になるでしょう」というなぞかけの完成だ。

「ゴールから考えるということですね」

 これが読解力にも結びつくという。京都教育大学の数学科教育専攻出身の落語家・立川吉笑さんはこう言う。

「三題噺は別ですが、なぞかけは同音異義語を積み重ねるものなので、かなり機械的な作業。大喜利も同じです」

 ただ、落語家の芸は、噺を覚えるという膨大な情報処理力の他に、その日その日の客席の空気を見ながら噺のデータベースから最適なものを即座に引き出し、即興的な演出作業を入れていく作業だ。そのアウトプットは全くAI的ではないのではないか。

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