「保険会社が保障を提供するだけでなく、契約者の健康づくりをサポートし、病気を予防する役割を担うようになってきています。加入者にはもちろん、支払いを少なくできる保険会社にとってもメリットがあります」

 リスクを細分化したり、契約した後のサポートを重視したりする動きは、損害保険にも拡大している。通信技術を活用した新しい自動車保険「テレマティクス保険」が続々と登場しているのだ。IoTデバイスを活用し契約数を伸ばしているのが、セゾン自動車火災の「おとなの自動車保険」だ。

 契約者には、緊急時のサービス要請ボタンや加速度センサーなどを搭載した車内設置用のビーコン端末が提供される。端末が大きな衝撃を感知するとサポートセンターに自動通知されるほか、車両トラブル時にもボタンを押すだけでオペレーターと話ができる。

 東京海上日動や損保ジャパン日本興亜では、ドライブレコーダーを活用して安全運転をサポートし、事故時の対応を手厚くする特約の販売を始めた。東京海上日動の特約「ドライブエージェント パーソナル」では、専用のドライブレコーダーが片寄り走行や車間距離が縮まった際などに、その場でドライバーに警告してくれるほか、衝撃を検知すると事故受付センターに自動で通知し、事故時の映像も送信してくれる。運転技術や特徴を客観的に評価する機能もあり、免許を取得したばかりの人や高齢者の運転技術のチェックなどにも活用できる。

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