「親に援助してもらえる人は別として、一般的な世帯では、自身の老後資金をためるのは50代以降にすると割り切るなどの決断が必要になるかもしれない。子どもが奨学金を抱えることは将来の『学び直し』の足かせになります」(的場さん)
政府の「人生100年時代構想会議」では、将来的に年収590万円未満世帯は私立高校実質無償化を提言している。それが実現しても、エスカレーター式の私立に行かせれば安心、という時代ではない。中高一貫で6年間じっくりと学ばせるのがいいのか、親元を離れて全寮制の学校に行かせて自ら学ぶ力を養ったほうがいいのか、など選択肢は無数にある。
「学校の転籍が難しい日本では、コミュニティーが合わないと中高一貫では6年間引きずってしまうことになるし、全寮制に入って親のサポートがなくなったがゆえにつぶれる子もいる。大学受験がない付属校に行くことで、理系分野や第2外国語をしっかり学ぶ素養ができることもある。この時期は本当に子によって千差万別なので、親が『子どもが伸びる時期』を観察しておく必要があります。新聞を読んで意見を言い合ったり、読んだ本を共有することなども子どもの学習意欲を測る上で効果的です」(福原さん)
情報収集、子の適性判断など、親のフォローが最も必要な時期と言えそうだ。(編集部・作田裕史)
※AERA 2018年4月2日号より抜粋