宮原知子(みやはら・さとこ)/1998年生まれ。関西大学に在学中。全日本選手権4連覇中。平昌五輪女子シングルではSP4位(75.94)、FS4位(146.44)、総合4位(222.38) (c)朝日新聞社
宮原知子(みやはら・さとこ)/1998年生まれ。関西大学に在学中。全日本選手権4連覇中。平昌五輪女子シングルではSP4位(75.94)、FS4位(146.44)、総合4位(222.38) (c)朝日新聞社
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坂本花織(さかもと・かおり)/2000年生まれ。神戸市の神戸野田高校在学中。平昌五輪女子シングルではSP5位(73.18)、FS6位(136.53)、総合6位(209.71) (c)朝日新聞社
坂本花織(さかもと・かおり)/2000年生まれ。神戸市の神戸野田高校在学中。平昌五輪女子シングルではSP5位(73.18)、FS6位(136.53)、総合6位(209.71) (c)朝日新聞社

 ワンツーフィニッシュという最高の結果を出した男子に続き、宮原知子、坂本花織の女子2人が韓国・江陵アイスアリーナを沸かせた。

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 鈍くさいけど芯が強い長女と、やんちゃで天真爛漫な次女。同じ関西出身の姉妹のような二人が、平昌五輪フィギュアスケート日本女子の快進撃を生んだ。

「長女」は、京都市出身の19歳・宮原知子。エースとして浅田真央(27)引退後の日本女子を引っ張ってきた。2月21日のショートプログラム(SP)、23日のフリースケーティング(FS)ともに自己ベストを更新する完璧な演技で、222.38点をマークし4位。メダルは逃したが、昨年初めの左股関節の疲労骨折から、見事な復活劇を見せた。

●自分を信じて好成績

 米ヒューストンで暮らしていた4歳のころ、フィギュアに出会った。初めての発表会で、一人でリンクの真ん中に行けずに泣いてしまうほどの恥ずかしがり屋。小学1年生が終わるころに京都市に引っ越し、浜田美栄コーチの指導を受けた。だが、

「陸上で1回転ジャンプもまともに回れなかった。本当に鈍くさい」(浜田コーチ)

 でも、こうと決めたら絶対に諦めない。母の裕子さんからはずっと、「人にできて、あなたにできないことはない」と教え込まれた。リンクに汗がたまるほどの猛練習で成長し、全日本選手権4連覇。平昌五輪では、2月11日の団体でジャンプの回転不足を取られ不安が残ったが、「構成を変えるつもりはなかった」と振り返る。「自分はできる」と信じ切って好成績を生んだ。

「次女」も続いた。神戸市出身の17歳・坂本花織だ。平昌五輪の女子SPは自己ベストを更新する73.18点をマーク。

「(演技の)出だしで一歩つまずいて、自分の中で『んふふ』ってなって、楽になった」

 と、笑みがこぼれた。FSでは後半のジャンプにミスが出て136.53点だったが、総合6位。世界の強豪と渡り合った。

 3姉妹の末っ子。NHK朝の連続テレビ小説「てるてる家族」で、フィギュアスケート選手だった主人公の姉を見て、4歳で競技を始めた。飽きっぽい性格だが、フィギュアは別。持ち味は、高くて幅のあるジャンプだ。

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