では、行政の役割は何か。地方創生の「絵」を描き、地域の活動に火をつけ、方向性をつけることだと思っています。ある種の「裏方」です。それを表に出ていき、すべて行政主導で行おうとすると、結局長続きしません。

 あと一つ、地方創生で大切なのは、東京への一極集中の是正。そのためには地方が若者にとって魅力的な働く場所をつくっていかなければいけません。長野県岡谷市では、地元企業が集まる市主催の「ものづくりフェア」を地元の小中学生が見学し、ハンダづけ体験などを地道に行っています。子どもたちは地元産業の魅力に気づき、郷土愛も生まれ、大学進学などでいったん東京に出ても確実にUターンにつながります。

 地方創生は始まったばかり。数十年も先を視野に入れた、新しいビジョンを策定し実行していく地域が、輝きを放つでしょう。

(構成/編集部・野村昌二)

AERA 2018年2月19日号より抜粋

暮らしとモノ班 for promotion
インナーやTシャツ、普段使いのファッションアイテムが安い!Amazon スマイルSALEでまとめ買いしたいオススメ商品は?