「パディントン2」を引き受けたのも、
「監督のコメディーセンスが抜群だったから。こういうのは天性のものだからね。僕もコメディーが得意分野だという自覚はある。深みのある笑いが好きなんだ。『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』もコメディーでありながら悲劇が隠れている。『アバウト・ア・ボーイ』もそうだった」
オックスフォード大学卒で頭の回転が速い。俳優という生業(なりわい)についても、あきれるほど冷静にして率直だ。
「ふつう俳優の夢というと、商業映画でお金を稼ぐ一方でアート作品に出て映画賞を獲ること。要するにお金と名誉。でも僕は賞にはまったく興味がない。僕の基準はその映画でみんなが楽しめるかどうかだけ。高尚な作品が好きな人はエンタメをバカにするけど、お客さんが楽しめない映画なんてただの自慰行為だ。『パディントン2』を見てもらえばわかるけど、多くの人を楽しませることこそ、本当に高い技術が必要なんだよ」