将来はどんな夢を持っているのを尋ねると「音楽レーベルやテレビ、出版、ラジオに就職することを考えています」と言う。これまでの発言とは違ってあまりに“優等生”な答えだったので、改めて本当は何がしたいのか聞くと、苦笑いしながら、胸の内を語ってくれた。

「本当はバンドマンになりたいと思っています。小2からドラムをやってきたんで。ただ、その話を親にすると『就職だけはしろ』と。それで(就職は)親が納得するようなプランになっています……。正直そこは悔しい思いがあって、悩んでいるところです」

 バンカラも人生の岐路に立っているようだ。なぜバンドマンなのか。

「人前に出て、少数派で自信が持てない人に『そういう生き方も格好いい』と伝えたいです。バンドマンになることで、自分もそういう人間になりたい。それが難しいとなれば、そういう人を世の中に出していくほうに回るのもいいですね」

 石橋さんはサークル活動に打ち込みすぎて、単位が足らず、5年生になることが確定している。卒業まで「もう2年ある」と語る彼は、バンカラ生活を通して、どんな未来を見つけるのだろうか。

(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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