職場の合わない上司に不満やストレスを感じているビジネスパーソンは少なくない。しかし、円滑に仕事を進めていくためにも上司との接点をなくすことはできない。上司がらみの悩みは、どうすれば解決できるのだろうか。ワークスタイルや組織開発を専門とする実業家・沢渡あまねさん監修の『テレワークも業務改善もさっぱりわからない私に 新しい働き方を教えてください! 』(朝日新聞出版)から、合わない上司と適切にコミュニケーションする対応策を紹介する。
【図で確認】「余計なひと言」を好かれるセリフに言い換えてみると
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■プライベートなことを聞いてくる上司、先輩にどう対応すればいい?
真面目に返す必要はありません。笑ってごまかしましょう。
「プライベートなことなので答えられません」と返しても、あなたの立場が悪くなってしまうだけ。明るく受け流し、仕事の話で返すのがベスト。
■残業代がつかないのに飲み会に参加しなければならないのでしょうか?
イエスともノーとも言えます。あなたがどのように働きたいかによって決まるのです。世の中には、飲み会でコミュニケーションを深められると考えている人もいます。
そうした相手に、飲み会に参加したくないと訴えても「社会人としての自覚が足りない」と思われるだけです。あなたが働いている企業が、人と人がなじみ合いながらコミュニケーションを育てていくタイプなら、飲み会への参加が仕事をこなす上でも 重要な意味を持つでしょう。
この先ずっと我慢しなくちゃいけないのかといえば、そうでもありません。飲み会に参加しなくても評価してくれる会社もたくさんありますから、働く場をそちらに移せばいいわけです。
相手の価値観は変えられません。相手に合わせるか、自分に合う環境を選ぶかどちらかです。
■助言のつもりで自慢話を延々とする上司にどう対応すればいいですか?
何といっても相手は上司ですから、怒らせるのは避けたいですよね。解決法としては、あなたが質問の仕方を工夫するのがいいですね。
聞きたいこと、困っていることを細分化し、「ここはこういうことですか? 」と、一つひとつ質問、確認をしていきましょう。
上司に質問や相談、報告をするにも必要なスキルがあります。私がおすすめしているのは 、次の4つです。
1.所要時間を示す
2.まず相談なのか、連絡なのか、報告なのかを 伝える
3.論点を先に言う
4.論点をナンバリングする。
例えば、 「2分程度よろしいでしょうか。○○について質問があります。 質問は2点で一つめが……」 という具合に進めます。すごく「仕事してる」って雰囲気になりますね。
雑談が好きな上司も姿勢を正して、明確に答えてくれるはずですよ。
■上司や取引先の指示がコロコロ変わり、仕事が終わりません。
こういう方、わりとよくいらっしゃいますね。本人には悪気がなく、指示を変えている自覚もないはずです。変更の事実を本人に自覚させるといいですね。
指示が変わるごとに「前回はこうおっしゃいましたが、このように『変更』ということでよろしいですね」「では目的が 『変わった』 という認識でよいですね」などと確認しましょう。
変更、という言葉を使うのがポイントです。
■上司や部下に声をかけるタイミングがわからず、困っています。
相手が忙しそうにしていると気がひけて、 なかなか声をかけられません。 そのせいで後で 「どうして言ってくれなかったんだ」と怒られたり……。
相手にとってちょうどいいタイミングはなかなかわかりませんよね。自分の都合がよいときに声をかけて、相手の反応を見てください。最初は迷惑そうにされるかもしれませんが、仕方がありません。
トライ&エラーを繰り返すうちに、声をかけて大丈夫な雰囲気がなんとなくわかってくると思いますよ。
また報告・連絡・相談 が適切にできるよう、タイミングをあらかじめすり合わせておくとよいですよ。定例ミーティングの最初の10分とか、細かく決めておくの がおすすめです。
(構成 生活・文化編集部 上原千穂)