極めつきは、年に数回、必ず入るというMRI。メーカーごとに微妙に違う「NRIに入ったときの音」を聞き分け、それを愛でる「NRIの音」マニアを自称する。
「ざっと試算して、日本には1千人、世界には5万人くらい、MRIの音マニアがいそう。武道館でファンミとかできますよ。え、同好の士に出会ったこと?実は一度もないんですけど(笑)」
●100%を目指さない
ちなみに、自分がグッラグラした前出の「毛ガニ体操」は、「毛ガニ医療チーム」提案の体操のひとつ。
「再発を防いで、かつパワフルな演奏にも耐えられる体操を」という毛ガニさんのリクエストでチームが考案した体操のうち、腰痛になりにくい体づくりにも役立つものを「毛ガニ体操」と名付けて、前出の本の中で紹介している。
最後に、毛ガニさんに聞いてみた。もし腰痛になる前の20代の自分に会えるとしたら、何を伝えますか?
「まっすぐ歩け、椅子にちゃんと座れ、まっすぐ立て……かな。これ、すごく大事なことだなと」
すみません。どれもできてません。
「あと寝不足はダメ……ってミュージシャンぽくないか(笑)。年齢や病気でできなくなったことがあっても、決して100%に戻そうと思わない。7~8割戻れば御の字、くらいが長続きのこつですよ」
はい、師匠。自分は、グッラグラがグラッくらいになるまでがんばります。(ライター・福光恵)
※AERA 2017年7月10日号