扇風機は電球付きで、運転中のみ灯る仕組み(撮影/福光恵)
扇風機は電球付きで、運転中のみ灯る仕組み(撮影/福光恵)
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東芝といえば、携帯電話などのキャラクター「トウシバ犬」も人気だった。T字の顔が目印で、ノベルティーグッズもあった(写真はチョロQ)(撮影/福光恵)
東芝といえば、携帯電話などのキャラクター「トウシバ犬」も人気だった。T字の顔が目印で、ノベルティーグッズもあった(写真はチョロQ)(撮影/福光恵)
濱崎勝明さん(50)/元小田急電鉄/1967年生まれ。小田急電鉄入社後、特急ロマンスカーに運転士として乗務。その後、鉄道グッズ事業を提案し事業化。2015年同社を退社し、コンサルタントとして独立(撮影/福光恵)
濱崎勝明さん(50)/元小田急電鉄/1967年生まれ。小田急電鉄入社後、特急ロマンスカーに運転士として乗務。その後、鉄道グッズ事業を提案し事業化。2015年同社を退社し、コンサルタントとして独立(撮影/福光恵)

 沈まぬはずの“電機の巨艦”が1兆円超の巨額損失の渦に飲み込まれようとしている。原因は原発事業の失敗だ。成長期や昭和のニッポンを力強く牽引し、明日は今日より豊かな生活をもたらした名門企業で、一体何が起こったのか。そのとき社員や関係者は何を見て、どう感じたのか。そして何が元凶だったのか。AERA 2017年4月17日号では「苦境の東芝」を大特集。関係者証言やジャーナリストの分析で全貌に迫った。

【写真】東芝未来科学館のレジェンドたち

 壊れない電気釜、地上波を「全録」できるレコーダー……。イメージ戦略より商品力。泥臭く生活を支え、夢を実現してくれた「東芝製」ファンに話を聞いた。

*  *  *

 稼ぎ手だった半導体事業も手放すことになって、暗雲立ちこめる東芝の未来。でも、“明るい未来”もまだある。「東芝未来科学館」(川崎市)だ。

 JR川崎駅の目の前、かつて照明器具の工場があった場所に2014年、移転オープン。子どもから大人まで、遊びながら科学を体験できる無料の施設で、オープンから2年半で、100万人の来場者を集めた人気スポットとして知られる。

 春休みのこの日も、平日ながら親子連れで大にぎわい。係の人が言う。

「(この施設の)撤退などの予定はありません」 

 それより驚いたのは、ここで紹介されていた、東芝が生んだ「世界初」「日本初」の製品の多さだ。

 かのエジソンから直接指導を受けて作られたという「日本初の白熱電球」(1890年)に始まって、「日本初の電気洗濯機」(1930年)、「日本初の自動式電気釜」(55年)などなど、高度成長期の奥さま、憧れの家電1号機も多い。また「日本初の日本語ワープロ」(78年)や「世界初のラップトップコンピューター」(85年)など、ハイテク時代のおハツもある。

●目新しくないが便利

 自分にとって昭和の東芝は、アニメ「サザエさん」(フジテレビ系)や、日曜夜のドラマ枠「東芝日曜劇場」(現日曜劇場・TBS系)の提供と、「光る光る東芝~」のイメージソングのイメージが強いが、実は昭和の暮らしを変えた、まさに(CMの巻き舌で)「リーディング・イノベーション」な企業だった。

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