勝負は、復帰2週間前からの過ごし方だと上田さんは言う。一時保育や慣らし保育を使って、夫婦の一日のタイムスケジュールを考えて試してほしい。朝の保育園への登園後、育休中にしていた家事はぐっと我慢して放置すること。昼寝もやめる。空いた時間でサイズの合わなくなった仕事着を買いに行ったり、歯医者や美容室に行ったり。子どもが元気なときには連れていきにくい病児保育施設の見学もいい。大事なのは「母親一人ですべてをこなさない」ことだ。

「育休中に夫に家事を頼みにくかった人も、今がそのタイミングです。一度頼んだら、どんな状態でもやり直さない、感謝の言葉を忘れないこと」(上田さん)

 つい手出し、口出ししたくなってしまうなら、復帰後に生まれる新しい家事を父親に一任するのがオススメだと、ファザーリング・ジャパン理事で夫婦のパートナーシップに詳しい林田香織さんはアドバイスする。例えば、夫婦間で経験値の差がない保育園で使うオムツの記名や荷物の準備、連絡帳の記入などだ。通園関連は父親のほうが詳しいとなれば、子どもが大きくなるにつれ習い事や進路、受験など教育関係のことを任せやすい。

「パパが主担当になるか、ママの指示がないと動けなくなるかは、今が分岐点。しばらく時短勤務だし、と曖昧にして復帰すると、後で変えようとしても難しい。ママは抱え込まずにきちんと手放して。考えるべきことが一つでも減らせたら、心の余裕も違ってきます」(林田さん)

●分担はリスクヘッジ

 林田さんが特に男性にオススメするチェックリスト項目に「★」印を付けた。母親の急な仕事や出張、病気になったときのリスクヘッジとして、まずは父親が一人でこなせる「ワンオペ育児」ができる状態を目指したい。そのためにも子どもの平熱チェック、病気時の対応、緊急連絡先の再確認を。祖父母やファミリーサポート、ママ友、職場の同僚や上司などを含めて、子育てを支えてくれるチームがつくれると心強い。

次のページ