この春、おそらく史上最多の女性たちが育児休業から職場へ戻ってくる (※写真はイメージ)
この春、おそらく史上最多の女性たちが育児休業から職場へ戻ってくる (※写真はイメージ)

 通勤電車も、大好きだった仕事も、遠い記憶の彼方に……。そんな職場復帰直前のママとパパだからこそ、考えるべきことがある。この時間が、きっと両立生活のストレスを大きく減らしてくれるはずだ。

 頭をめぐらすのは冷蔵庫の中身と離乳食のメニュー、掃除、洗濯をどうこなすか。着るのはもっぱら洗える服で、通うのは児童館や子育て支援センターぐらい。夜泣きで眠れないから昼寝は必須。最後に家族以外の大人とちゃんと話したのはいつだっけ?こんな私にもう一度仕事なんてできるの?まして子育てとの両立なんて……。

 この春、おそらく史上最多の女性たちが育児休業から職場へ戻ってくる。いよいよ現実味を増す復帰を前に、「すべてが不安」と暗くなりがちだ。だが、あと1カ月。この時間をうまく使えれば、両立の第一歩になる。

「職場にロールモデルがいないという声をよく聞きますが、完璧なロールモデルはありません。いろんな人の経験からつまみ食いすればいい。まずは家族や職場の人たちと会話することが大事だと思います」

 妊娠・出産から職場復帰までをサポートするアプリ「カムバ!」を提供するリクルートホールディングスの二葉美智子さんはそう話す。日々のストレスを少しでも減らすために欠かせないのは、タイムスケジュールと事前の準備だ。チェックリストは、なるべくスムーズに仕事と子育てをこなせるよう、今できることをまとめた。

 これを見て、「一人で全部やらなきゃ」と意気込んだ人は要注意! 時間に余裕がある育休中の思考回路を引きずっているかもしれない。

●パパ家事の分岐点

「実は、育児より家事でつまずく人のほうが多いんです」

 そう話すのは、家事・育児の代行サービスや復職セミナーを展開するマザーネット社長、上田理恵子さんだ。実際に、未成年の子どもがいる共働きの女性の9割が家事を負担に感じているという現状を、本誌2月13日号でも報じた。「復帰後しばらくして倒れた」「なぜ私だけが家事も育児も」。声は切実だ。

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