●返却期限ナシも
女性向けのレンタルサービスでは、2015年2月に日本で初めて普段着のレンタルを始めたというエアークローゼットが人気だ。「新しい服と出合う機会を増やしていく」が目的で今年になり会員数が10万人を突破。利用者の多くは30代の働く女性だ。好みのスタイルやなりたいイメージを登録すると、スタイリストが選んだ服が3点送られてくる。気に入らなければ返却すればいい。感想や評価を伝えるとそれを踏まえてまた新しい服が送られてくる。気に入ったらそのまま購入も可能だ。2カ月未満の早いスパンで新しいデザインの服を仕入れ、それらを使った新鮮なコーディネートが提供されている。
代表取締役の天沼聰さん(37)がこのサービスを始めたきっかけは、自分よりも服をたくさん持っているのにクローゼットの前で着る服がないと悩む妻の姿だった。
「なぜかと考えたときに、手持ちの服だと着合わせが限られてしまうから変化が感じられないのではと思った。でも、ショッピングモールでは新しいお店になかなか足が向かないし、時間の使い方が変わってゆっくりファッション誌を見る時間がない。服と出合う機会が減っているのではないか」(天沼さん)
ライフスタイルを変えずに日々新しい服に触れ合う機会を増やせないかと考え、最終的に行き着いたのがレンタルだった。試す機会が増えれば、ファッションはもっと自由に楽しめる。
「月額制サービスにこだわったのは、忙しい女性に、サービスに追われるのではなく、ライフスタイルに合う方法で利用してほしいからです」
と天沼さんは言う。返却期限をもうけず、返却時のクリーニングも不要で手軽なのも特徴だ。
●プロから個別に助言
これらのサービスが利用者に喜ばれている理由のひとつは、定期的にプロからの個別アドバイスをもらえることだ。これまでのパーソナルスタイリングは、費用もハードルも高い印象があるが、ネットを使って低価格で気軽にスタイリストとやりとりをするサービスも登場している。昨年12月にスタートした女性向けのサービス「Let Me Know」は、初回のカウンセリングが3千円、翌月から月額1千円で利用できるパーソナルスタイリングだ。カウンセリングを受け、手持ちの服を写真で撮ってネットに登録すると、それらと新しいオススメアイテムとを組み合わせたスタイリング提案がスタイリストから毎月六つメルマガで届く。利用者の8割が30代の女性で、寄せられる服に関する悩みは大きく三つに分けられる。(1)体形が変わって似合う服がない、(2)管理職など立場が変わると何を着たらいいかわからない、(3)育児や仕事で買い物に行く時間がない。以前より人目が気になるようになったという利用者が多いという。