●10代が力を出せるか
高橋さんがトビウオジャパンの精神的支柱のひとりに挙げたのが、女子として史上初の代表キャプテンになった金藤理絵(27)。5日目に予選が行われる女子200メートル平泳ぎの金メダル候補だ。
「周りが見えるし、賢い子。それに、27歳の彼女は日本の女子スイマー進化の象徴だから、頑張ってほしい。以前に比べると、女子の選手生命がぐっと延びている。スポンサーなど周囲の環境整備が進んだこともあって、女子選手が大学卒業後も水泳をやめなくなった」
ライバルのロシア選手が欠場濃厚。渡部香生子とともに、チャンスは広がっている。
ダークホースは男子200メートル平泳ぎの渡辺一平(19)。
「以前はスピードが今ひとつの印象だったが、ここにきて100の記録がぐっと上がっている。19歳という伸び盛りなので期待したい」
女子は、長谷川と池江、今井の高校生トリオがどこまで力を発揮できるか。
「全員、4年後の東京が大目標なのかなと思うが、若さは何を起こすかわからない」
長谷川には星奈津美、今井には寺村美穂(日本大学4年)という地力のある先輩がいる。最近は200なら200と、ひとつの距離に特化して勝負する傾向が強い。入念な準備が奏功して、実力者たちに終盤までついていけたら、面白くなる。(ライター・島沢優子)
※AERA 2016年8月8日号