ランナーにとって辛いのは、仕事などの都合で日々のランニングのペースが乱されてしまうこと。まして出張なんかがあった日には……。だがそんな時には、出張先でランニングを楽しむ「出張ラン」という方法がある。
ウェアやシューズを出張先に持参し、コースを調べ、見知らぬ街を駆け抜けると、新鮮な気持ちでランを楽しむことができる。それが海外なら、なおさら発見に満ちている。記者が海外での出張ランを実践した。
出張ランに、国境はない。昨年12月、急きょシンガポールに行け、とのうれしいお達し。大荷物の中にランニングシューズをしのばせ、羽田を発った。
チャンギ国際空港に着いたのは夜。アポイントが翌日の午後からになったので、出張ランのチャーンス! 海外、しかもシンガポールは初めての街だからドキドキだ。
さて、どんなコースで走ろうか。ネットをみると、案外出張で走っている人も多いらしく、おすすめコースがいくつも見つかった。その中で、ホテルからの近さを考えて、街中のシンガポール川沿いを走ることにした。もし夕方だったら、シンガポーリアンの憩いの地、イーストコーストパークを夕日を眺めながら走ったかな……。
朝9時前にオーチャードロードのホテルを出発。真冬の日本と違って、こちらは27度。半袖に短めのパンツと身軽でいい。
南国らしい花が咲き乱れるイスタナ公園を突っ切り、気分よく走っていたが、はたと立ち止まった。スマホの地図ではわからなかったが、この先、随分と道が険しそうだ。しかし、ここを越えなければ、目指すシンガポール川にたどり着けない。どーしよう。でも今さら、別の道を探すのもなあ……。