だが同志社は、立命館と関学が採択されているSGUからは漏れた。同志社広報課は、
「不採択でも、教養教育を英語でやるという同志社的特徴を出していきたい。留学生の受け入れも2500人を維持していきます」
プライドをかけた取り組みが続く。
首都圏と違うのは、キャンパスの立地があまりイメージに影響していないことだ。
■立地より雰囲気で選ぶ
同志社と立命館は、立地としても人気のある京都の大学の最高峰だが、同志社の場合、理系学部を中心に約9千人が市内から約1時間離れた京田辺市にあるキャンパスに通う。立命館も滋賀県草津市や大阪府茨木市にキャンパスを構え、学部によっては決して「京都で」学べるわけではないことは周知の事実だ。
関大のメインキャンパスも、大阪の中心部・梅田からは約30分。不便ではないが、誰もが憧れるおしゃれスポットではないし、関学も「神戸」とはいえ、中心部からは約30分。
関関同立それぞれが府県をまたいで離れていることもあり、立地に関して言えば「どんぐりの背比べ」なのだ。
大手進学塾、KEC近畿予備校の大学受験課責任者の佐々木俊幸さん(52)は、
「『どこにあるか』よりも、『とにかく関関同立に入ろう』という思いが先にくる」
と受験生の思いを代弁する。
では、関西の場合、難易度以外では何が決め手になるのか。
「自信のある子はやはり同志社を第1志望にする傾向はありますが、オープンキャンパスで感じた雰囲気で選ぶ子がとても多い」(佐々木さん)
一昨年、関大を卒業した会社員の女性(24)は、各大学のオープンキャンパスに行き、関大を第1志望に決めたという。
「とてもいい天気だったんです。広い芝生がきれいで、楽しそうに見えて、『ここや』と。スウェットにクロックスのサンダルで歩いている学生もいて、力が抜けている感じがよかった」
編集部が実施した大学のイメージを問うアンケートでは、関学に「美人が多い」「清楚でおしゃれ」という、首都圏では青山学院大学に近い答えが集中したが、実際に足を運んで肌感覚で大学を選ぶのが関西流なのかもしれない。
■「頭ひとつ抜けてます」
「もし◯◯するならどの大学?」というアンケートでは、同志社が圧勝。上司、部下、恋人、結婚、友達……。どんなシーンでもパートナーには同志社が選ばれた。法学部3年の男子学生(21)が、
「僕ら頭ひとつ抜けてますよ~というプライドがあります」
と語るのもうなずける。
注目は「部下にするなら」で近大が3位にランクインしたことだ。大学の勢いそのままに、バイタリティーがありそうだと期待する声が多かった。
取材した5大学に共通するのは、おおらかな関西気質。自分のノリと合う大学に行くことが何よりの幸せなのだ。
※AERA 2105年11月23日号