甘やかされた義理きょうだいも時に脅威だ。神奈川県のミズエさん(41)の夫は11歳も年の離れた妹を溺愛。両親も遅くに授かった女の子を甘やかし放題のため、一家が集まるとなぜかミズエさんが義妹のお手伝いさんもどきに。彼女が「食べたい」と言えば、限定スイーツを買いに朝から店へ並ばされる始末で、代金を請求すると、「お義姉さんってば、夫の妹からお金取る気なんですかぁ?」と悪者扱い。

「マッサージチェアに座ったまま指図する彼女に『ラクすることだけは一人前ね』と釘を刺したら、『私、甘えっ子キャラだから』だって。32にもなって!」(ミズエさん)

 家族間のメンタルヘルスに携わる「あしかりクリニック」の芦刈伊世子院長は指摘する。

「そもそも義理きょうだいなど、うまくいかなくて当然です。元来、家族は“うっとうしいもの”。人として合うかだけでも厄介なのに、きょうだいの仲が良いほど相手の夫や嫁は敵になりやすく、血のつながりが強固なほど肩を持って、どんな正論も通用しなくなる。常識がまかり通らないのが義理きょうだいとの関係性なのです」

AERA 2015年8月17日号より抜粋