シャルケ(ドイツ)に所属、不動のレギュラーとして活躍している、内田篤人選手。欧州チャンピオンリーグ(CL、各国リーグの上位で争う大会)はいよいよ佳境に差し掛かっているが、どんな思いで臨むのか。内田選手に聞いた。
──さて、いよいよCLは決勝トーナメントに入ります。1回戦の相手はレアル。内田選手にとって、初対戦です。
内田選手:いま、地球上で一番強いサッカーチームじゃないですか?高校生の時に大学生と試合をして「めっちゃ、強い」と打ちのめされた。多分、それに近い感覚なのでは。周りから「楽しみだね」と言われるのですが、楽しむなんて、とてもとても。粘って、守って、頑張る覚悟があるだけ。それで最後、勝ち点がポロッと落ちてくるかどうか、という相手だから。
──世界の年間最優秀選手「FIFAバロンドール」になったクリスティアーノ・ロナルドとマッチアップする可能性が高い。
内田選手:それも「楽しみ?」と聞かれるのですが、正直、全然やりたくない。だって、勝負だから。勝って上に進みたいから。試合前には相手の映像を見て「こう守る」とイメージを固めるんです。ただ、ロナルドを止めるイメージが、どうしても湧かない。強豪国の代表の主力クラスでも「この体勢になれば右に抜いてくるから、こう止める」と計算できる癖はあるものなんだけど、ロナルドにはない。動きがパターン化されていないんです。強いし、速いし。
──厳しい相手ですね。
内田選手:まあ、実際にピッチで戦ってみたら、映像とは全く印象が違うことも多々ある(笑)。やってみなきゃ、わかりませんよ。
※AERA 2015年2月16日号より抜粋